プライバシー保護の運用を考える

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【読書メモ】ビッグデータの倫理(O'Reilly Japan / 2013)

(作成 2022/11/20、更新 ----/--/--)

 

知人からお薦めされた『ビッグデータの倫理』を読みました。

 

O'Reilly Japan - ビッグデータの倫理
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873116006/

(現在の取り扱いはオライリー公式サイトのEbookのみ)

 

2013年なので今から9年前の書籍ですが、テーマや考察に古さは感じず、もちろん世の中の法律や規制は当時より進んでいるのですが、AI倫理の問題は息が長いのだと改めて思います。

 

特に印象に残ったのは下記(書籍より引用)。

倫理的判断ポイントの特定方法にはいくつかある。馴染みがあるのは、完全に信頼できて納得いくものではないが、「気持ち悪さ(creepy)」だろう。これは基本的に、何かが正しくないという本能的で無意識による感覚だ。

 

この「気持ち悪さ」は役に立つが、掴みどころのない概念だ。そして、あなたのビジネスモデルやオペレーションにおいて、価値と行動の整合における気持ち悪さの度合いの算出は、そのコンテキストに大きく依存する

 

サービスや施策のレビューをするときは、この「気持ち悪さ」がどういった性質のもので、何に起因するのかを、できるだけ言語化するよう意識しています。

 

ここでは少し抽象度高めですが、

  • その目的を達成する上で必要性が低いから
  • ユーザーへのメリットが間接的なのに対し、デメリットは直接的に発生しうるから
  • そのUI(ex. 画面遷移, 説明)ではユーザーが気づかず、サプライズになるから
  • 一般に普及したサービスや同業他社では行っておらず、ユーザーはその仕様に慣れていないから
  • 身近な友人にすら公表しない情報で、センシティブ度が高いから

など。

 

また「気持ち悪さ」の度合いに影響するコンテキストは、5W3H(5W + How, How much/many, How often)で整理するようにしています。

 

ビジネス部門と合意する上では、解像度の高い説明が求められますので、引き続き精進したいと思います。

 

今回は読書メモなので短いですが、以上です。